NTOを負極に用いたリチウムイオン電池を搭載した電気自動車の走行は世界初(*1)となり、今後3社は、各社の技術・ノウハウ・知見を最大限に活用し、2025年春のNTOを用いた次世代リチウムイオン電池の製品化(*2)およびグローバルでの販売に向けた活動を推進していきます。
今般開始した実証実験は、ラテンアメリカにおける電気トラックの開発・生産の先駆者であるフォルクスワーゲン・トラック・アンド・バス(Volkswagen Truck & Bus)(*3)が開発した電気バスを使用しています。3社は、本実証実験を通じて、NTOを用いた次世代リチウムイオン電池の特性および車両運行データの収集を行い、商業化に向けた必要な調整を行っていきます。
NTOは、リチウムイオン電池の負極材として一般的に使用される黒鉛と比較して、2倍の理論体積容量密度を持つ材料です。3社は、2018年6月に、NTOを用いたリチウムイオン電池負極材の共同開発契約を締結し、試作セルを開発しました。その後、2021年9月に、商業化に向けた共同開発契約を結び、量産プロセスの確立および早期の市場投入に向けて、主に商用電気自動車への応用を目指し、さらなる協業を進めてきました。また、3社は、2023年8月に共同販売契約を締結し、サプライチェーン構築に向けた活動と営業・マーケティング活動を推進してきました。2024年5月には、ブラジル・日本両国政府関係者の立ち合いのもとサプライチェーンの強靭化と事業化の推進について合意しています。
ニオブ(Nb)は、金属元素の一つで、鉄鋼添加剤として主に高張力鋼、ステンレス鋼などの高級鋼材の原料に用いられ、中でも自動車向け鋼材の軽量化・剛性化には不可欠とされています。CBMMは、ニオブ市場において世界一位の生産量と販売量を保有し、高い技術力と製品開発プログラムを有しています。双日は、CBMMの株主の1社であり、また、CBMMの日本市場向けの総代理店として、安定的な原料供給体制の構築や用途開拓を進めてきました。そして、CBMMと双日が提供するニオブ原料を用いて、東芝が主導してNTOを用いた次世代リチウムイオン電池「SCiBTM Nb」の技術開発(*4)を進めてきました。
実証実験開始のセレモニーの様子
(株)東芝執行役員・電池事業部バイスプレジデント 高岡聡彦、CBMM社長 リカルド・リマ、
双日(株)米州総支配人 山口幸一、(株)東芝上席常務執行役員 佐田豊
*1 2024年6月20日現在。株式会社東芝、双日株式会社、CBMM調べ。
*2 株式会社東芝にて次世代リチウムイオン電池「SCiBTM Nb」として製品化予定。
*3 フォルクスワーゲン・トラック・アンド・バスは、フォルクスワーゲン・グループの子会社であるトレイトンSEの一員。トレイトンSEはフォルクスワーゲン・トラック・アンド・バスに加えスカニア、マン、ナビスターを傘下に持つ商用車メーカー。
*4 SCiBTM Nb 紹介・お問合わせサイト:
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/battery/scib/next/nb.html
※ SCiBTMは株式会社東芝の商標です。
※ 本リリースはブラジル時間6月19日14:00に公表しました。
以 上