今回、初めて展覧会企画を務める米澤柊はアーティストであると同時にアニメーターとして活躍する注目の気鋭作家です。特に、アニメーションにおける残像表現の技法「オバケ」に着目し、アニメーションのみならず、多様なメディウムを用いアニメーションにおけるキャラクターの身体性と、現実世界の生き物の心の身体性や感情について、またキャラクターが生きる空間の空気を含めた作品を制作・発表してきました。また、現代美術の領域での活動にとどまらず、音楽イベントを開催するなどその活動は多岐に渡ります。
WALL_altenrnativeは昨年11月の開業以来、「アート/音楽を軸に多様なカルチャーを横断し、新しいムーブメントが生まれる拠点」であることをコンセプトに掲げ活動してきました。今回は、米澤柊の視点からキュレーションされた展示・イベントを通じて様々なバックグラウンドを持つ方々が集い、新しいコミュニケーションが生まれる場を目指します。
なお、開催を記念して7月5日(金)・6日(土)2日間連続でオープニング企画を実施します。アーティストの在廊や米澤が企画する音楽ライブも予定しておりますので、ぜひご来場ください。
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ここは生き物が生き物として生きるこの星で、未来のあり方を考える場所です。
潔癖と断裂を繰り返すこの世界で、正しさが多様な人たちがそれぞれ何を生み出しながら、育て、どうやって関係をもつのか。
霧の中。頭上では太陽がふわふわと見え隠れしている。霧の向こうの魂はただそこにいるだけだった。
私の声が、肉体を通して私の声としてそこにあることの重要性、確かにある遠くのもしくは近くの 血の色。あなたの痛みを知りたいけれど、私はあなたではないし、あなたにはなれない。でも覚えていてくれた事実が、あなたがそこにいる理由になったらうれしい。
話して、笑って、ただそこにいて。
米澤柊
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<7月5日(金)・6日(土)2日間連続オープニング企画詳細>
①オープニングレセプション:7月5日(金)18:00-21:30
「Anima in the fog」オープニングレセプションでは展覧会企画者によるご案内やアーティストの在廊などゆっくりアート鑑賞を楽しんでいただけます。また、WALL_alternativeから徒歩5分にあるSNOW Contemporaryと連動し、開催中の布施琳太郎個展「性と大地」の営業時間を1時間延長して20:00まで鑑賞いただけます。相互でアート鑑賞を楽しめるプログラムも予定しておりますので是非ご来場ください。
オープニングプレビューは入場無料・事前申込制。
日程:7月5日(金)18:00-21:30
会場:WALL_alternative
入場:無料/先着予約制 (URL作成します)
申込URL:
https://forms.gle/ffDWTw7ukDiuqjxF6
②音楽イベント「空とあたたかい」:7月6日(土)15:00-(18:30頃終了)
オープニング二日目には、「空とあたたかい」と題した音楽と映像による一日限定のイベントを開催します。新進気鋭の音楽家とアーティストのVJによって「Anima in the fog」がリミックスされる音楽イベントです。
出演者:〜離、HVNC、kimura kazuki
VJ:布施琳太郎、米澤柊
日程:7月6日(土)15:00-(18:30頃終了)
会場:WALL_alternative
入場:無料/先着申込制
申込URL:
https://forms.gle/CdbNHkdJg9VY2aw56
※ワンドリンク制、但し高校生以下はワンドリンク不要(学生証の提示をお願いします)
※当日は20:00に営業終了いたします。
<米澤柊について>
東京生まれ。アーティスト、アニメーター。現在のデジタルアニメーションにおけるキャラクターの身体性と現実空間の生き物が持っている精神的身体性と感情について、またそれらアニメーションが生きるための空間の空気を制作している。
主な作品/個展に「ハッピーバース」(PARCO museum tokyo , 2023)、「名無しの肢体」(Tokyo arts and space本郷[OPEN SITE7], 2022)「絶滅のアニマ」(小高製本工業跡地[惑星ザムザ], 2022)、「劇場版:オバケのB′」(NTTインターコミュニケーション・センター, 2022)、「場所たちのいる場所」(熱海市街地[ATAMI ART GRANT], 2021) など。
主な展覧会に「ディスディスプレイ」(Calm & Punk Gallery, 2021)、うしお鶏との二人展「AB」(新宿眼科画廊, 2020)など。
また、主な共同制作としてMV「Nitecore – Heartbeat」(ディレクション=ファンタジスタ歌磨呂)や、東京スカパラダイスオーケストラ×長谷川白紙のMV「会いたいね。゚(゚´ω`゚)゚。 feat.長谷川白紙」のアニメーション作画。KAIRUIによるシングル「海の名前」のアートワーク制作など。
■出展アーティスト(五十音順、敬称略)
青柳菜摘/だつお
1990年東京都生まれ。リサーチやフィールドワークを重ねながら、観察、記録、物語をめぐる作者自身の経験を表現することをめざして、その不可能性を記録メディアでいかに表現するかを主題に取り組んでいる。2016年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。近年の活動に個展「亡船記」(十和田市現代美術館, 2022)、NMWA日本委員会主催展覧会「New Worlds」(M5 GALLERY, 2022)、オンラインプロジェクト「TWO PRIVATE ROOMS – 往復朗読」(2020-継続中)、第10回 恵比寿映像祭(東京都写真美術館, 2018)など。また書籍に小説『フジミ楼蜂』(ことばと vol.3 所収, 2021)、詩集『そだつのをやめる』(thoasa, 2022)で第28回中原中也賞受賞。プラクティショナーコレクティヴであるコ本や honkbooks主宰。
「だつお」というアーティスト名でも活動。2001年頃よりお絵かき掲示板やpixivなどのWebメディアを通して作品発表を行う。インターネットを通じたコミュニケーションのありかたについてについて考えながら、イラストや絵を中心とした作品を制作。
大和田俊
1985年栃木県生まれ。アーティスト。現在、東京を拠点に活動。音響と、生物としてのヒトの身体や知覚、環境との関わりに関心を持ちながら、電子音響作品やインスタレーションの制作を行なっている。東京藝術大学音楽環境創造科卒業、同大学院先端芸術表現専攻修了。
近年の主な個展・プロジェクトに、「地球をかたづける」(札幌文化芸術交流センター SCARTS、札幌、2021-2022年)、「破裂 OK ひろがり」(小山市立車屋美術館、栃木、2020年)など。近年の参加グループ展には、「なめらかでないしぐさ」(西尾市資料館、愛知、2023年)、「石宇宙 Stoneverse」(花蓮縣石雕博物館、台湾、2023年)、「Energies in the Rural」(国際芸術センター青森 (ACAC),2023年)、「no plan in duty」(PARA、東京、2022年)、「Ars Electronica 2018」 (オーストリア、2018年)などがある。
黒嵜想
1988年生。批評家。極セカイ研究所所長。批評誌『アーギュメンツ』(2015~2018)での連載・編集をきっかけとして活動開始。音声と南極を中心的な関心とし、仏教音楽「声明」に関する連載「声をかく」(ウェブメディア「ちえうみ」)や、自身が編集する南極誌『P2P』ならびに「極論」(同誌掲載)などがある。また、以上の活動と並行して大垣書店発行の批評誌『羅(うすもの)』の編集を手がける。各ポッドキャストにて「ボイスメモ(3600±600)」を配信中。
多田恋一朗
画家。1992年生まれ。群馬県太田市出身。東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻(技法材料研究室) 修了。失恋や絶縁や死別などの信頼する他者との別れの実体験を元に、それ以降も自分の中で流動的に変化し続ける他者のイメージ(特定の個人を示さない、過去の経験が複雑に絡み合ったキメラのようなもの)を「君」と称し、その不定形でありながら強い実感の伴ったモチーフの実存を多角的に割り出していくように様々な素材や表現方法を用いながら制作している。それらは長い年月をかけて自己の表現と向き合っていくようなポール・セザンヌやアンリ・マティスなどの近代画家の仕事や態度を参照している部分が多く極めて実験的なものが多い。さらに個人の制作活動とは別に[早熟な表現を求める現代に対するアンチテーゼ]をテーマに同世代のプレイヤー(キュレーターや批評家なども含む)に声をかけた自主企画の展覧会や芸術祭なども定期的に行っている。
野村在
1979年神戸生まれ。野村在は、彫刻と写真を素地とした様々なメディウムを用いて、生と死やその間に横たわるものを、存在論的な視点を通して露わにすることを試みている。
近年では、写真として記録された認知症の人々の失われた記憶をわたあめに置き換え観賞者に配布したり、亡くなった人々のポートレイトを水に印刷する装置を彫刻として展示するなど、デジタルテクノロジーと身近な素材を組み合わせ、生命における刹那的な側面を表象しつつ、同時に記憶や時間の概念を超越し可視化させるような試みを続けている。
山本花
アーティスト。1999年千葉県市川生まれ。
2019年にニューヨーク滞在を経て、2022年多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース卒業。現在、千葉県を拠点に活動している。
身体の可能性を広げるためのオブジェクトや、普段とは違う環境に耐えるための練習行為など、身体が状況に最適化されるプロセスや形式
に関心を抱き写真や映像を中心に制作を行う。具体的なテーマとして、近視や運動不足、勉強習慣といった、身近でありながら同時に葛藤をもたらす事象や行為が扱われている。
■展示概要
「Anima in the fog」
会期:2024年7月5日(金)―8月3日(土)※日曜定休
時間:18:00-24:00
入場:無料・予約不要
会場:WALL_alternative(東京都港区西麻布4-2-4 1F)
HP URL:
https://avex.jp/wall/exhibition/216/
主催:WALL_alternative
企画:米澤柊+吉田山/WALL_alternative
企画協力:SNOW Contemporary
主催:WALL_alternative
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【ライフウィズアート助成】
※7月5日(金)については18:00-21:30まで、要予約。
※7月6日(土)については15:00-20:00まで、要予約。
【WALL_alternative バーについて】
常時200本以上のナチュラルワインやオリジナルコーンビーフを使用したサンドイッチなどのスペシャルメニューを提供しております。展覧会企画にあわせセレクトしたナチュラルワインやオリジナルメニューを提供します。
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