◼️得意分野を見極めながら、ただひたすらに反復練習(操業前)
一言で自転車製造と言っても、その製造要素は多岐にわたる。
プレス機をつかった、曲げ加工、潰し加工。レーザーカットを使った切断加工。マシニングセンタを使った切削加工。ロボットを使った溶接加工。塗装、組立。
そして、これら加工のすべてが製品の見栄えに影響し、製品の良し悪しに直結する。決して簡単ではない。しかし、ゆったりと学んでいる余裕もない。
まず試みたのは、工業高校出身者と普通高校出身者の選別。さらに工業高校出身者は在学時の取得資格等を確認し、基礎能力を確認。普通高校、大学等出身者は趣味や手先の器用さを確認して暫定的に配属を選定。あとは、やってみて、能力を確認しながら微調整。
成形加工班は、それぞれの機械の条件を見極める。塗装班はJOeBテックが粉体塗装を採用していることから、粉体特有の肉厚条件、炉温度条件など、組立班は電動自転車の組立、バラしを時間の限り繰り返す。
昔は数多くあった自転車工場ですが、日本の高度成長とともに拠点を中国に移し、JOeBテックのような完成工場(素材から完成までを一貫で製造する工場)は、もはやないと言っても過言ではなく、当然、職人と呼べる方もいない。自転車専用設備などはメーカーの人間を招致して指導してもらう。
◼️操業開始(試作につぐ試作)
7月よりいよいよ操業を開始。最初に入る仕事は試作品になる。当たり前の話だが事業者やブランド会社が、いきなり、何千台もの発注を入れてくれる訳がない。まずは、本当に作れるのか試作品でもって試される。今や電動アシスト自転車はただの移動のためのアイテムではない。環境負荷低減アイテムであり、CO2削減アイテムであり、観光ではサイクルツーリズムやレンタサイクルのアイテムであり、シェアサイクルなどまちづくりのアイテムであり、防災などにおいては防災グッズの1つにとりあげられるアイテムだ。単に自転車業界だけではなく様々な業界の会社が工場見学に訪れる。製造の様子を見に来られる中、皆さんの感想の1つが「みんな若くて元気でいいですね」「こんなに若い人が大勢働いてる工場は初めてです」などと言った言葉だ。
◼️工場に入ったら、そこはグローバルだ!
沖縄といえば、沖縄タイムやうちな〜タイムという言葉を耳にした人はいると思う。沖縄の人はのんびりしている。本土とは違い時間経過がゆったりだということを揶揄した言葉だ。しかし、実際に沖縄で工場を運営している我々にそんなイメージは一切ない。
JOeBテック代表の松原は、若い社員によくこう言っている。「仕事が終わった後や休みの日は好きにすればいい。だが、出社して会社の門をくぐったらここは沖縄ではない、日本でもない、グローバル社会なんだ」と。そしてこうも言う「ここから君たちが作ったものが世界に出荷される。フランスやイギリス、ドイツ、アメリカ。世界中の人が、君たちの作った電動自転車に乗る。仕事に来る時は世界をイメージしなさい」と。
JOeBテックの社員1人1人にその言葉は染み込んでいる。だから、工場内にうちな〜タイムはない。
◼️2024年、量産開始!
2024年に入り、量産と呼べる量の受注が入り始める。平均年齢21歳の彼らの目に、もはや入社当時の幼さはない。日々失敗を繰り返し、その度に修正をかける。こっちがよくなったらあっちがダメ。見つけた問題は即座に解決方法をみんなで考え即実行。それは今も発展途上の真っ只中だ。だが、失敗はすれど、スポンジのような吸収力で日々ものすごい勢いで進歩する彼ら。伸び代はまだまだ十分にある。1年前は右も左もわからなかったが今はJOeBテックの欠くことのできない戦力だ。
JOeBテックの世界への挑戦はまだ始まったばかりだ。