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イベント概要
・開催概要:アマダイの生態、種類、漁獲方法の学習、市場見学、稚魚放流他
・日程:2024年7月6日(土) 9時30分~15時30分
・開催場所:山口県漁協萩地方卸売市場(萩市椿東4160番地61)
山口県外海栽培漁業センター(長門市通19-2)
・参加人数:山口県内の小学5・6年生24人
・協力団体:山口県、山口県漁業協同組合、山口県栽培漁業公社、山口県水産研究センター、読売新聞西部本社、ライフスタイル協同組合、独立行政法人水産総合研究センター宮津、栽培漁業センター
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アマダイってどんな魚なんだろう?調査開始!
山口県内では今年初の「熱中症警戒アラート」が発表され、朝から厳しい暑さとなる中、県内各地から元気な小学5・6年生24人が県漁協萩地方卸売市場に集合し「アマダイを調べ隊」が結成されました。少し緊張気味な表情の子もいましたが、同じ班の隊員や水産大学校の生徒や学校の先生による学びサポーターとの自己紹介タイムを経て、少しずつ和やかな雰囲気となっていきました。
最初の講座は、アマダイや萩市の海に詳しい県漁協萩地方卸売市場の末武克典副市場長。アマダイはどんな魚なのか、どのあたりに生息しているのかといった基礎知識を学びました。アマダイは萩市の見島沖で安定して獲れ、2014年度以降日本一の漁獲量(※)を誇ること、市場での平均キロ単価が2000円台になる高級魚であることを聞きました。また同じ「タイ」と名前はつくものの、アマダイは真鯛(タイ科)とは違う仲間(アマダイ科)であることを聞きびっくりする隊員もいました。
※農林水産省 漁業・養殖業生産統計より
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アマダイ漁はたくさんの工夫に満ちている
次は、実際にアマダイがどうやって獲られているのかを見てみましょう、と岸壁へ移動。アマダイ漁をされている濱本尚洋さんと小田諒一さんの若手漁師お二人に漁の仕方を教えてもらいます。アマダイは水深80~130m位の海底に巣穴を掘って生活しており、雑食なので何でも食べるが、今はイカを餌にしていること、漁をする船は一番多かった時に比べて半分以下になったこと、漁は夜中の2時頃に出発して夕方に戻ること、1つ1000m位の仕掛けを6個つなぎ、1日に3~4回繰り返し漁を行うことなど、実際に船や仕掛けを見ながら説明を受けました。また、獲れたアマダイを新鮮なまま持って帰る工夫や、アマダイが少しづつ獲れなくなってきているので、小さなアマダイは海に返したり、稚魚を漁場に放流していることなども教えていただきました。隊員たちは普段見ることのできない船や仕掛けを前にして、メモを取ったり写真を撮ったり。漁や餌についての質問も飛び交っていました。
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アマダイ資源回復の最前線に潜入調査!
萩市を後にした調査隊が次に向かうのは長門市。移動中のバスの中では、お魚かたりべ講師の片岡謙一郎さんから「魚のおいしさ」について学びます。魚の美味しさを決めるのは3つ。鮮度、旨味、さてあと一つは何でしょう?隊員たちは一生懸命考えていました(答えは「歯ごたえ」)。アマダイのフライも入った昼食を取ったのち到着したのは山口県外海栽培漁業センター。ここでは専門研究員の大田寿行さんと阿武遼吾さんから、山口県のアマダイが今抱えている、漁獲量の減少という問題と、それを解決するための資源保護の取り組みについて説明を受けました。
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最後はアマダイ資源回復のお手伝い
アマダイについてたくさんのことを学んだ隊員たちは、敷地内にある、全国で初めて大量生産に成功した(※)シロアマダイの種苗生産施設を見学しました。アマダイの稚魚の育成では、稚魚の大きさによって与える餌が変わります。隊員たちはシオミズツボワムシやアルテミアといった餌となるプランクトンを、顕微鏡で観察しました。また稚魚が泳ぐプールでは、稚魚を育てる上で、生後4~6日が一番気を使う時期で、その期間に浮袋、背骨の黒い部分が正常にできているかを確認しないといけないことや、稚魚同士がけんかをして、けがをするとそこから感染病になるのも気を付けないといけないことだと説明を受け、繊細な管理によってアマダイが飼育されていることを学びました。
これまでの学びでアマダイの知識を沢山得ている隊員からは、アマダイの寿命や、時速どのくらいで泳ぐのかといった質問などが次々と出され、予定の時間を超えても質問が終わることがありませんでした。
最後は施設すぐそばの岸壁に移動、「大きくなって帰ってきてねー」とみんなでシロアマダイの種苗を放流しました。
※山口県報道発表資料より
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/press/215470.html
アマダイの魅力や価値、そして地元の漁業の振興のために多くの人が努力を続けていることを学んだ調べ隊の隊員たち。本日の体験をもとにオリジナルコラボ食品のアイディアを各自考案します。次回8月5日(月)に山口県漁協江崎支店で行われるDAY2では、実際に漁船に乗船し「アマダイがどんなふうに獲られているか」を学び、レンコダイの干物づくりを体験をしたあと、萩博物館に移動してワークショップ「アマダイが育つ海にはどんな課題がある!?」を行い、豊かで素晴らしい海を未来につなぐために自分たちが出来ることを考えます。学びの成果では、お取り寄せ商品の開発販売や、新聞のパノラマ版特別号を3万部作成し、山口県内の全小学5・6年生、水族館や博物館などの学習施設、行政関係に配布する予定です。
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参加した子どもの声
・いろいろ学んで、豊かな海を守るために人の力で何が出来るかをじっくり考えたいと思った。
・アマダイ漁は大変なことがよく分かった。また、資源保護のために漁師さんとセンターが一緒になって取
り組んでいることに感動した。
・シロアマダイがとても高いことにびっくりした。今日食べたのはアカアマダイだったので、いつかは食べてみたい。沢山の稚魚が放流できるようになって沢山シロアマダイが獲れて、値段が下がって、みんなが食べることが出来たらいいと思う。
<団体概要>
団体名称:一般社団法人海と日本プロジェクトinやまぐち
URL:
https://yamaguchi.uminohi.jp
活動内容:山口県は三方を瀬戸内海、日本海、響灘という異なった特色のある3つの海に開かれた「海口県」です。ふるさとの海の現状を一人でも多くの人に知ってもらい、海口県を未来につなぐ行動を拡げていくことを目的に活動しています。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。