大丸松坂屋百貨店やパルコなどを傘下に持つJ.フロント リテイリング株式会社(本社:東京都中央区、取締役兼代表執行役社長:小野圭一、以下、当社)は、イグニション・ポイントベンチャーパートナーズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:田代友樹)と共同で運営する「JFR MIRAI CREATORS Fund」を通じて、NFTチケット売買プラットフォームを提供する株式会社チケミー(本社:東京都渋谷区、代表取締役:宮下大佑)に出資します。また出資に伴いチケミーと当社は業務提携契約を締結しました。
チケミーは「価値の流通を担う会社」を標榜し、モノの所有権やサービスの利用権などをデジタルチケット化して売り買いできるマーケットプレイスアプリ「TicketMe(チケミー)」を運営しています。 今回の出資により、当社グループのパルコが手掛けるエンタテインメント事業を中心にチケミーが持つ 優れたNFT技術を活用し、新たな成長につながるサービスや仕組みを構築していきます。
1.出資の目的と背景
●エンタメ事業のソリューションを実現
当社グループは2030年に向けた目標として「国内外の“高質・高揚消費層”からの圧倒的な支持獲得」を掲げています。高質・高揚消費を「自身のこだわりや価値観を満たす、高質で心が高揚する(ワクワクする)消費や体験」と定義し、百貨店・パルコそれぞれの強みを融合させて、高質・高揚消費を志向する人々から選ばれるリテーラーグループを追求します。
創業以来“ワクワク”を創出するエンタテインメント事業を築いてきたパルコにおいては、拡大する推し活市場も見据え、グループ企業のXENOZ(eスポーツチーム「SCARZ」を運営)と連携してゲーム事業に 参入したり、強みであるIPコンテンツの事業展開を推進したりするなど、エンタメ事業の領域拡大を目指しています。一方で、社会問題化しているチケットの転売対策やホテル業界では一般的なダイナミックプライシングなどを視野に入れた既存チケットシステムの見直しも課題となっています。
TicketMeは、音楽ライブ、演劇、スポーツ観戦などのチケットをNFT化(※)して販売(一次流通)し、それをTicketMeユーザー間で自由に売り買い(二次流通)できるNFTチケットプラットフォーム です。一次販売者はチケットの種類ごとに転売の可否、二次販売額の上限を設定し、ユーザー間で売り買いされたチケットの売上(二次流通による売上)の一部が一次販売者に還元される仕組みで、悪質な転売を防止することが可能です。
世の中のあらゆるモノの所有権やサービスの利用権を「チケット」に乗せることで価値の流動性を高め「世の中の隠れた価値を適正な価格であるべき場所(必要とする人)に届ける」ことを目指すチケミーとの協業は、健全なエンタメ市場の形成に貢献するとともに、当社グループのエンタメ事業の収益力向上、高質・高揚消費を支える新たなサービスの開発に資すると考え、今回の出資に至りました。
※NFTチケットとは:価値の移転を示す技術であるNFTを応用したWeb3時代の新しいチケット。高い耐改ざん性を持ち、イベント券や商品の引換券として流通の管理、付加価値の提供などが可能
2.協業の方向性
短期的には公演チケットのTicketMeでの販売(コントロールされた二次流通を通じた自社興行収入の 最大化)、NFTチケットならではの付加価値のある魅力的なNFTチケット商品の開発など、中・長期的には海外からのチケット購入に対応する券売システムの開発、興行チケット以外の高質・高揚消費に対応するサービス開発などが想定され、短期的な取り組みについては早期に着手したいと考えています。
チケミー代表取締役 宮下大佑氏コメント
チケミーは、2022年6月の設立以来、「世の中の隠れた価値を見つけ出し、あるべき場所にあるべき価値を届ける」というミッションのもと、チケットの適正な流通に取り組んでまいりました。2023年には、NFTチケットを用いた転売制御技術の基幹技術部分で特許を取得し、以下のことを実現しています。
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正当な理由によるリセールを許可しつつ、ダフ屋等の違法高額転売者を排除
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高額リセールの利益をクリエイターに還元する仕組みを通じて、クリエイターがその価値に見合った 収益を得られるよう支援
この資本業務提携を通じて「TicketMe」は、技術革新とユーザーの信頼を基盤に、音楽、スポーツ、 エンターテインメント業界の発展に貢献し、公正なチケット流通の実現に向けさらに邁進してまいります。
■「TiketMe」について
NFTチケットプラットフォームである「TicketMe」は、従来のチケットサービスに近い形態を取りながらもweb3におけるNFTの要素を取り入れ、不正転売への抑止策を講じています。
チケットの転売制御技術で特許も取得しており、正規の事由(急用、病気等)によって行けなくなったイベントのチケットのリセールは許可しつつ、ダフ屋や違法高額転売者による買い占めのみを排除するなど、 柔軟性の高いチケット市場の設計を可能にしています。
チケット制御を確立することで、不正転売の抑止を図るだけでなく、正規の理由の延長で需給によって 定価よりチケット価値が高まった時、その差分利益を二次販売者ではなく、クリエイター自身が受け取れる仕組みも構築しています。これにより、購入者側が感じる適正な価値に沿った売買が行われ、クリエイターが提供する本来の価値に見合った収益を手にすることができるようになりました。
■JFR MIRAI CREATORS Fundについて
ファンド名:JFR MIRAI CREATORS投資事業有限責任組合
設立日:2022年 9月
運用期間:10年
運営規模:30億円
運営者:イグニション・ポイントベンチャーパートナーズ株式会社
ファンドURL:
https://cvc.j-front-retailing.com
投資に関するお問い合わせ:mirai-creators-fund@jfr.co.jp