欧州系最大級のグローバル戦略コンサルティングファームであるローランド・ベルガー(本社:ドイツ、ミュンヘン)は、本日、世界の電気自動車(EV)普及動向を示す指標を調査した最新レポート「EV充電指数第5版:市場成長は鈍化、焦点は充電インフラ」を発表しました。日本のスコアは44となり、2年連続で順位を下げしました。
ローランド・ベルガーがグローバルEV市場の動向として継続的に調査している「EV チャージャー・インデックス(EV充電指数)」第5版によると、2023 年は、世界の一部の地域で EV販売と充電インフラ成長に鈍化が見られました。2023年も世界のEV販売浸透率は上昇を続けましたが、最も大きな上昇が見られたのはアジア諸国と中東地域となり、韓国とドイツでは販売浸透率が低下しました。
EV充電拠点の整備の重要性は理解されているものの、急速に発展している中東市場を除くすべての地域で、EV車両対充電器の比率は停滞、またはわずかに低下しました。公共の充電インフラに対する疑心が続いていることを反映し、欧米では、プラグインハイブリッド車(PHEV)の人気が高まっています。一方で、EV充電インフラ市場は、自動車メーカーの参画により、活発化しています。高速充電器の設置増加は、全体的な消費者の満足度を上昇させました。
ローランド・ベルガー日本オフィスのパートナーで、モビリティ業界に精通する貝瀬 斉(かいせ・ひとし)は、次のように述べています。
「EV失速が叫ばれているものの、実際にはグローバルEV市場はより多くのプレーヤーが参画し、より多様な市場が形成されていることが本調査で明らかとなりました。また、EV販売車数を伸ばすためには、充電インフラが追いついていく必要性も示されました。
日本市場は、欧米に比べEV普及が遅れていますが、EV充電器の社会実装は徐々に進んでいます。自動車エコシステムの社会モデルやビジネスモデルを変革することが、カーボンニュートラルを実現するために求められており、PHEVに強みを持つ日本の自動車業界は、実際に、新しいエコシステムを提示し始めていると考えています。多様化するグローバルEV市場への展開が課題となります。」
本レポートは、ヨーロッパ、中国、アメリカ、中東、アジア(その他)の5つの地域の32市場と31指標を対象に、EV普及、政策、インフラ、市場動向という4つの主要分野を分析しています。本調査は、2024年第2四半期に実施された15,800人以上を対象とした調査、および業界ヒアリング、その他の一次資料を基に行われました。
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ローランド・ベルガーは、引き続き、世界最高水準の知見を提供するとともに、多様なステークホルダーとの共存共栄を大切に、お客様の長期的な成長および変革を支援してまいります。
本調査方法の詳細
・調査期間 :2024年第2四半期
・調査機関:ローランド・ベルガー
・調査対象:ヨーロッパ、中国、アメリカ、中東、アジア(その他)の5つの地域の32市場
・有効回答数:15,800名以上
・調査方法:オンライン調査、および業界ヒアリング、その他の一次資料に基づき、31指標を対象に、EV普及、政策、インフラ、市場動向の4分野を分析
ローランド・ベルガーについて
ローランド・ベルガーは、1967 年に設立されたドイツのミュンヘンに本社を置く世界有数の戦略コンサルティングファームとして、あらゆる業界や部門と伴走する戦略参謀を目指しています。全世界のすべての案件サステナビリティを組み込む方針を掲げ、変革、業界横断的なイノベーション創出、パフォーマンス改善など、お客様の長期的成長に妥協しない経営支援を提供しています。