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イベント概要
・開催概要:鳥取県栽培漁業センターの研究員とウニの勉強会
・日程:2024年7月9日(火)
・開催場所:鳥取県栽培漁業センター
・参加人数:高校生5名
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ウニの勉強会
鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会では、令和4年度より青谷高校において行われている学習カリキュラム「青谷学」で「鳥取県の漁業」の課題に取り組む2、3年生を対象に、「ウニに触れ、ウニを学び、海について考える」ウニ学習プログラムを行うとともに、「青谷学」において高校生自身が自発的に取り組むウニ学習を支援しています。
大量発生しているムラサキウニに対し、駆除や養殖利用だけでは、まだまだ藻場回復の効果は限定されていることを知り、「ウニが売り物になれば漁師さん達が獲り、藻場の回復に繋がりやすいのでは?」との発想から、「いつ、どんな場所のウニの身入りが良いのか?」「商品価値のあるウニはいるのか?」を探求しています。
今年度は3年生たちが、大量発生して藻場を食い荒らす厄介者として漁業者による駆除が進められているムラサキウニを対象に、「場所や時期による身入りの違い」を調べ、商品価値が見込めるウニの有無やその時期や場所の環境条件を見出すことで、漁業者による漁場利用とウニの減少による藻場回復を目指しています。
今回は鳥取県栽培漁業センターの研究員の指導のもと、①同センターの施設見学、②研究員によるこれまでのウニに関する調査報告、③青谷高校の生徒による活動報告、並びに④高校生からの疑問に研究員が答える形で進められ、高校生からは「どうして今、ウニが増えているのか」、「ウニは小型海藻を食べるのに、なぜ大型海藻が減っているのか」など鋭い疑問が寄せられました。
最後は青谷学での活動計画の確認を行い、次回以降の活動に向けて気合を入れました。
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ウニ身入り調査 今後の運び
鳥取県栽培漁業センターは、鳥取県中部の湯梨浜町石脇に位置しています。施設では巨大な水槽でキジハタやヒラメ等の稚魚の育成や、現在、鳥取の海で大量発生し、海藻を食べつくして問題となっているムラサキウニの駆除事業への指導及び効果把握調査などが行われています。
施設見学後、同センターの研究員より、鳥取県沿岸域に生息するムラサキウニの成熟する時期の調査結果について講義を受けました。この調査では、県内2カ所において、月1~3回程度、ムラサキウニのむき身の重量などを調べ、成熟期前の1月から5月のウニから商品価値が高く、おいしいむき身が取れることなどが分かりました。
青谷高校の生徒による調査結果では、①日当たりの違いにより、ウニの餌となる小型海藻の量が異なること、②ウニの密度の違いにより、得られる餌の量が異なることなどが、身入率の違いの要因になっているのではないかということが分かってきました。
これらの知見を検証するため、青谷学では、今後、ウニがいる場所によって、むき身の状態が違うのか、調査を進めることになりました。場所の違いを調べるため、長和瀬漁港周辺の①東側の磯、②防波堤、③漁港内の船揚スロープ、④西側の磯の4か所での調査を継続します。時期と場所による身入りの違いを調べることで、身入りが良い条件を見つけ出すことが出来れば、漁業者にとって有益な情報となることになります。
この流れで今年度3年生たちはウニの身入り調査を行います。生徒たちが自発的に見つけたテーマに沿って、より良い学びを得ることができるよう、今後も鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会として引き続きサポートを行ってまいります。
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参加した子ども・保護者からの声
・鳥取県栽培漁業センターを始めて訪問し、前から気になっていたウニの疑問が解決して、今後の調査活動の励みになった。
・時期や場所による身入りの違いのこれからの調査の結果が楽しみ。
<団体概要>
団体名称 :鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会
(公益財団法人鳥取県栽培漁業協会)
URL:
http://tottori-bluecarbon.jp/
活動内容:公益財団法人鳥取県栽培漁業協会、鳥取県漁業協同組合、鳥取県、農林中央金庫らが官民一体となり、藻場の衰退の要因となっているムラサキウニの商品化をモデルケースとした海の豊かさの啓発等により、地域と共に鳥取の豊かな海を取り戻すことを目的に活動。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。