九州旅客鉄道株式会社(代表取締役社長執行役員:古宮洋二、以下「JR九州」)と学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学(本部:東京都港区 学長:田中里沙)は、人材開発に関する連携協定を2024年7月23日付で締結しました。
JR九州の次代を見据えた人材育成戦略
JR九州は、九州の持続的な発展に貢献することを目的に、自社の「あるべき姿」として「九州、日本、そしてアジアの元気をつくる企業グループ」を志向しています。その実現に向けた組織の基盤構築のため、人的資本経営の強化に取り組んでおり、未来を担う次世代人材の育成に注力しています。
技術革新や気候変動、価値観の多様化など取り巻く社会環境が急速に変化する中、まだ見ぬ未来を構想し、新たな事業を構築・実行できる人材が必要と考え、事業構想大学院大学の教育・研究プログラムを有効に活用します。
<事業構想大学院大学の新制度 「人材開発連携企業制度」>
事業構想大学院大学は新規事業開発を専門に研究する社会人大学院であり、開学当初より「企業・団体推薦入試」を設けて組織の人材開発の場として活用いただいていましたが、より中長期的な視点から、希望の企業・団体に対して、審査の上「人材開発連携企業」として認定し、修士課程への入学枠(推薦枠)を付与する「
人材開発連携企業制度
」を新設しました。
この度、JR九州より賛同を得て、全国に先駆けて本制度の採用と連携協定締結に至りました。
人材開発連携協定 概要
第1条 この協定は、九州旅客鉄道株式会社が掲げる「あるべき姿」である「九州、日本、そしてアジアの元気をつくる企業グループ」に貢献できる人材を、両者が協働して、中長期視点で育成することを目的として締結する。 (一部抜粋)
連携協定に伴う実施事項
(1) 大学院修士課程への企業推薦枠での社員派遣
(2)附置研究所が実施するプロジェクト研究への参加
(3) 各種研修事業の実施
(4)人材開発計画策定への支援
(5) その他、両者が人材育成に関して必要と認める事項
各位よりコメント
九州旅客鉄道株式会社
代表取締役社長執行役員 古宮 洋二
JR九州は、「安全とサービスを基盤として九州、日本、そしてアジアの元気をつくる企業グループ」の実現に向けて、「安全・安心なモビリティサービスを軸に地域の特性を活かしたまちづくりを通じて九州の持続的な発展に貢献する」ことを目標に掲げています。目標の実現に向け、JR九州人材戦略2つの基本方針の一つである人間力と実務力を持った社員の育成の一環として、事業構想大学院様との「人材開発連携企業制度」へ参画させていただくこととなりました。事業構想大学院様とのご縁を元に、「積極果敢」に挑戦し、地域社会との繋がり、「外」との連携で新たな価値を生み出す社員が増え、九州の持続的な発展に貢献できる企業を目指してまいります。
学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学
学長 田中 里沙
事業構想大学院大学は 2012 年に文部科学大臣の認可を得て開学した社会人を対象とする専門職大学院です。新事業、地方創生、事業承継における人材育成と、事業構想の研究・実践から社会に新たな価値を創出する取り組みに力を入れています。新たに開発した「人材開発連携企業制度」は、本学の研究資源を最大限に活用いただくことで、企業の中長期的な人材開発計画、社員・職員への動機づけ、モチベーションアップ、定着に貢献するものです。全国に先駆けて参画いただきましたJR九州様とのご縁に感謝するとともに、さらなる進化を目指してまいります。
「人材開発連携企業制度」に関連する事業構想大学院大学の主な教育プログラム
事業構想大学院大学は、日本で初めての「事業構想」と「構想計画」を構築・実践する社会人向け専門職大学院です。事業の根本のアイデアを発想し、理想となる構想を考え、実現するための構想計画を構築します。
① 修士(専門職学位課程)
新規事業、事業承継、地域活性、起業を主なテーマに、2年間の専門職学位課程を通して事業構想を研究する。規定の単位数の取得に加え「事業構想計画書」の提出と最終審査合格を修了要件に、事業構想修士(専門職)の学位(Master or Project Design:MPD)が取得できる。開学からこれまでに703名の修了生を輩出※。事業構想力を備えた修了生たちが多様な分野で多彩に活躍している。社会人が仕事や家庭と両立しやすい時間割として、授業は平日夜と土曜日に実施している。 ※2024年度時点
② 一社型プロジェクト研究
企業の経営資源を活かした新事業構想に特化した研究会。大学院修士のカリキュラム要素を凝縮した1年間のプロジェクトを実施する。自社の人材育成・新規事業開発に直結する最適なテーマ・プログラムにカスタマイズが可能。これまでに輩出したプロジェクト研究修了生は3,000名を超え、会社の未来を担う人材育成の具体策として多数企業が採用している。
JR九州は、人材開発連携協定締結による具体的取組みの一環として、
2024年7月より「JR九州新事業開発プロジェクト研究(第1期)」を開始しました。
③ 研修プログラム
各社の課題や希望のテーマに沿った研修プログラムのアレンジも可能。
JR九州は、2023年度に事業構想に必要な発想力を強化する「JR九州新規事業(発着想)研修」を実施しました。既成概念から脱却し、多様な視点で観察することで新規事業アイデアの発掘を目指す3ヵ月のプログラムに、多様な部署から公募形式で36名が参加。自社で推進する社内新規事業提案制度も見据えるプロジェクトとして開講しました。
九州旅客鉄道株式会社(JR九州)について
当社は、「あるべき姿」である「安全とサービスを基盤として九州、日本、そしてアジアの元気をつくる企業グループ」の実現に向けて、「安全・安心なモビリティサービスを軸に地域の特性を活かしたまちづくりを通じて九州の持続的な発展に貢献する」という「2030年長期ビジョン」を掲げています。鉄道事業においては、九州のまちづくりを牽引する「未来の鉄道」をつくるべく、2022年春に「未来鉄道プロジェクト」を開始しました。「未来鉄道プロジェクト」では、「持続可能なモビリティサービスの展開」を重点戦略に掲げ、自動運転や需要予測に応じた未来の輸送体系の確立、IoT、AIなどの技術を活用した機械化・省人化による生産性と安全性の向上など、最新インフラと最新技術による鉄道アセットの最適化に取り組んでいます。(直近では、香椎線において日本初のGOA2.5自動運転を開始しました。)
また、西九州新幹線を基軸とした西九州エリアにおけるまちづくりの集大成である「新長崎駅ビル」を開業する等、沿線でのまちづくりを着実に進めています。さらに、博多駅の活力とにぎわいを周辺につなげるべく、博多駅線路上空に新たな“都市”をつくる「博多駅空中都市プロジェクト」を始動しました。これからも安全・安心なモビリティサービスの提供を中核に、地域の特性を活かしたまちづくりを通して、九州の持続的な発展に貢献していきます。
事業構想大学院大学について
2012年4月に東京・南青山に開学した、事業構想と構想計画を構築・実践する社会人向け大学院。事業の根本からアイデアを発想し、事業の理想となる構想を考え、実現するためのアイデアを紡ぎ、構想計画を構築していくことを対象とした多様なカリキュラムを提供しています。多彩な業界で活躍する教員・院生と議論を重ね、2年間で事業構想計画書の提出を経て、専門職学位の「事業構想修士(専門職)」(MPD:Master of Project Design)が授与されます。拠点は東京、名古屋、大阪、福岡、仙台の5校舎で、現在13期目 計703名が修了し、数多くのイノベーションとなる新事業が生み出されています。また、本学の附属研究機関である「事業構想研究所」では、企業・事業のプロジェクトベースでの研究が活発に実施され、既に3,000名以上が課程を修了しているほか、月刊『事業構想』等の出版を始め、研究書籍を発刊しています。