1. 背景と目的
NTT東日本とN響は、「音楽はコミュニケーション」をコンセプトに、1985年4月から180回にわたり、コンサートを開催してきました。この活動から、音楽との出会いや触れ合いにより心豊かな社会の実現に繋げることができたと考えています。さらにNTT東日本は、子ども・高齢者や災害の被災住民の方に向けたコンサート開催など、N響が実施してきた様々な社会貢献活動に共感し、音楽分野での更なる連携による価値創造を目的に、2024年4月よりN響の特別支援企業に参画いたしました。
NTT ArtTechnologyは、デジタルによる文化芸術の保存と活用を通じ、地域と地域・世界をつなぎ地域の活性化を目指しています。これまで音楽分野においては、IOWNを活用したリアルタイム・リモートコンサート※2やサテライト配信公演※3の開催等をしてきました。
今回、地域の子どもたちに音楽の楽しさを感じてもらうと共に、自身の演奏スキルの上達を促す、音楽教育プログラムを実施することで、音楽を通じた地域循環型社会の創出を目指します。なお、本プログラムは、福島市が企業等との連携により子どもたちに高いレベルの学びの機会を提供し、可能性に挑戦する子どもたちの育成を目指す「福島型個性をのばす教育」の一環として、福島市に協力いただいています。
(※2)東京-大阪-神奈川-千葉をIOWN APN 関連技術でつなぐリアルタイム・リモートコンサート「未来の音楽会Ⅱ」を開催
https://www.ntt-arttechnology.com/news/20221222release.pdf
(※3)第 180 回 NTT 東日本 N 響コンサートのサテライト配信公演を 11 月 2 日に小布施町北斎ホールにて開催
―高音質配信による高い臨場感と、マルチアングル配信による自由度の高い音楽鑑賞体験を提供―
https://www.ntt-arttechnology.com/news/release20230915.pdf
2. 音楽教育プログラムについて
3ステップのプログラムを通じ、再学習による学びの定着やN響の演奏による音楽への感動を促し、目的意識を持った学びに繋げるプログラムの構築を目指しています。
① 出張レッスン
N響メンバーが学校に訪問し、子どもたちの演奏に対する指導を行います。
② リハーサル見学
コンサートのリハーサルに子どもたちを招待し、N響の演奏を聴いていただきます。併せて、マルチアングル配信システムにより通常の公演では見ることのできない角度や距離で演奏している様子をご覧いただくとともに、PSZ(Personalized Sound Zone)技術を搭載したオープンイヤー型イヤホン「耳スピ」(NTTソノリティ社提供※4)を用いることで、演奏と楽曲解説音声を同時に聞くことができます。
PSZ技術を搭載したオープンイヤー型イヤホン
(※4)nwm MWE001
https://www.nwm.global/mwe001
③ オンラインレビュー
子どもたちの練習成果に対しN響メンバーが遠隔地からレビューすることで、再学習による学びの定着を促します。
3. 福島市での音楽教育プログラム 概要
① 出張レッスン(信夫中学校)
トランペットと打楽器のパートに分かれて、音楽の奏で方や音の響かせ方等をレッスンしました。
<開催概要>
日 時 |
: 2024年7月6日(土) 13:00~15:00 |
参加者 |
: 福島市立信夫中学校 吹奏楽部部員 |
講 師 |
: N響 首席トランペット奏者 菊本和昭、打楽器奏者 竹島悟史 |
<参加生徒からのコメント>
· 自分では気づけなかった課題を指摘してもらえた。
· 分からない点を理解しやすく教えてもらえたので、今後の練習の時に意識していきたい。
· プロが奏でる音を初めて聴くことができ、とても貴重な機会となった。
<開催模様>
② 出張レッスン(福島第一中学校)
パートごとのレッスンと、管弦楽の合奏についてレッスンを予定しています。
<開催概要>
日 時 |
: 2024年7月28日(日) 13:00~15:00 |
参加者 |
: 福島市立福島第一中学校 管弦楽部部員 |
講 師 |
: N響 第1ヴァイオリン次席奏者 倉冨亮太、チェロ奏者 市寛也 |
③ リハーサル見学
<開催概要>
日 時 |
: 2024年8月30日(金) 14:00~16:00 |
参加者 |
: ふくしん夢の音楽堂(福島市音楽堂) |
解説者 |
: N響 指揮研究員 湯川紘惠 |
④ オンラインレビュー
時 期 |
: 2024年秋頃実施予定 |
講 師 |
: N響メンバー |
福島市での音楽教育プログラム
· 主催:NTT東日本
· 協力:NHK交響楽団、福島市
· 運営:NTT ArtTechnology
※ 本プログラムの実施内容及び成果はまとめた上で、今秋以降の公開を予定しています。
4. 今後の展望
今回の取り組みを通じて得られた成果を活かし、他地域への音楽教育プログラムの展開や、新たな技術を用いた音楽体験の創出、更なる地域貢献を推進します。