睡眠について学ぶ機会を提供する「寝る育」の一環として日本睡眠協会と協力
経済協力開発機構(OECD)による調査※1では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、調査対象の先進国33か国の中で最も短いことがわかっています。子どもにおいても睡眠時間の短さが指摘されており、発達をはじめイライラ、不安が大きくなりやすいといった感情面、学習面など様々な影響が懸念されています。厚生労働省では「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が策定され、地域や社会全体で連携して睡眠の時間や質を改善していくことが求められていますが、睡眠に関する正しい知識に触れる機会はまだ少ないのが現状です。
JINSは睡眠をめぐる社会課題解決の観点から、睡眠研究の世界的な権威※2による、睡眠とブルーライトに関する研究の支援などに取り組んできました。そしてこの度、より多くの方に睡眠について学ぶ機会を提供することでより課題解決に貢献したいとの想いから「寝る育」を開始。アカデミア・医学界と連携した科学的根拠に基づいた情報発信を掲げる日本睡眠協会の方針に賛同し、二者共同の取り組みが実現することとなりました。
※1 OECD, Gender data portal 2021: Time use across the world ※2 西野精治博士(米国スタンフォード大学医学部精神科教授、スタンフォード睡眠・生体リズム研究所所長、医学博士)、千葉伸太郎博士(医学博士 太田総合病院記念研究所・太田睡眠科学センター所長)、前田直矢医師(スタンフォード大学医学部精神科研究員)の3名
品川女子学院生徒へ「睡眠と生活習慣」を切り口に探究的な学びの機会を提供
夏休み目前の2024年7月19日(金)には、品川女子学院の生徒(希望者36名)へ特別講座を実施。生活リズムを振り返るワークショップの後、日本睡眠協会理事長の内村先生による基調講演「睡眠の学習や心身に及ぼす影響 〜よりよい睡眠が脳とこころとからだを育てる〜」が行われ、「睡眠負債度診断」(
https://www.jins.com/jp/campaign/jins-sleep/selfcheck/
)を交えながら睡眠環境を整えるために取り組んでみたい行動を考えました。参加した生徒は夏休み中にその取り組みを実践し睡眠日誌を用いて睡眠の変化を検証します。最終的には2024年9月2日(月)に生徒による研究発表を予定しています。
誰もが毎日経験する睡眠という事象を通じて、生徒自らが自分なりの仮説をもち検証、分析、発表することは、睡眠への関心を高めるだけでなく、探求的な学習の機会を増やすことにもつながります。今後もJINSは日本睡眠協会をはじめとする多様なステークホルダーとともに、睡眠をめぐる社会課題の解決に取り組んでまいります。興味のある教育機関や自治体がいらっしゃいましたらぜひお問い合わせください。