株式会社tresco(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高井由子、以下 tresco)のTAKAI YOSHIKOが花装飾を担当した映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』が、7月26日に公開されました。映画の公開を記念し、TAKAI YOSHIKOが劇中で手掛けた花装飾についてご紹介いたします。
映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』劇中の花装飾ができるまで
株式会社tresco、そしてフラワーアートアーティストであるTAKAI YOSHIKOが創る「花空間」や「オブジェ・装飾」は、映画の世界で役者さんを引き立てる脇役中の脇役です。その大前提を踏まえながらも、それだけに留まらず「作品の世界感を豊かに表現する価値のある名脇役」を目指し、私たちは日々新たな挑戦を続けています。
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初顔合わせ&ヒアリング~唯一無二の花演出の創造~
TAKAI YOSHIKOの花演出は、まず監督さんやセットデザイナーさんとの方向性の共有から始まります。この段階で重要なのは、予め原作や脚本を読み込み、映画のテーマやキャラクターの背景を深く理解し、花を通じて物語を豊かに表現することです。
『もしも徳川家康が総理大臣になったら』では、その原作の内容から歴史と現代との融合が求められました。特に、歴史的な要素を取り入れつつ、現代のデジタルエッセンスを加えて斬新な花演出を提供することに挑戦しました。
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カタチ(想い)の確認作業
次に、共有したコンセプトを具体的なデザインに仕上げていきます。そのためには現地確認、いわゆるロケハンが欠かせません。
実際にスタジオや撮影場所に足を運び、構想を具体化します。また、テレビ局や制作会社を訪れてセットデザイナーと共に「図面・パース・セットイメージ画」などを見ながら、必要な要素を精査します。スペースやサイズ、色彩など様々な視点からデザインを組み立てていきます。
今回の映画では、時代背景に合わせた花材の選定が特に重要でした。例えば、総理官邸を彩る竹と花のコントラストが際立つ作品は、映画のハイライトの一つです。まずは、メインで使用する竹を手に入れる為、熱海の竹林にTAKAI YOSHIKO自ら分け入り、竹の選定と手作業での切り出しから今回の装飾がスタートしました。
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カタチ(想い)のスタンバイ
この仕事で一番必要なのは体力と根性です。万全の体調で時間に余裕をもって現場に臨みます。
まずは準備段階として、トラックで運んできた花材の搬入、お花の水揚げ作業や道具の手配、現場での設営準備など、数多くのタスクを一つひとつ丁寧に行います。
そして、いよいよ作品の制作開始。総理官邸には、竹の力強い存在感を基調に、戦国武将の鎧兜を彷彿とさせるV字の流木をセンターに配置、そのほかあせび、ヘルコニア、プロテアなどの繊細な花々を巧みに組み込み、全体の調和を図りました。
もちろん、竹以外に使用する花材も早朝から大田市場に出向き、一本一本選定してきたものです。
バックには金屏風を設置し、その豪華さと伝統的な美しさが舞台を一層引き立てます。金屏風の輝きが竹と花のコントラストを際立たせ、歴史的な趣と現代的な感覚が見事に融合した空間が完成しました。
現代の人々だけでなく、歴史上の偉人たちが生きていた時代にも受け入れられることを思い描きながら、時代を超えた美しさを追求し、この映画の中で最も試行錯誤をした作品です。
また、総理大臣の執務室のシーンでは、バーチャル感をより強く意識するために、あえて枯れた盆栽を使ってみたいと考えました。このアイデアが浮かんだのは、かつてTAKAI YOSHIKOが友人の家で見かけた枯れた盆栽が心に残っていたからです。その時、その盆栽には時間の流れや自然の厳しさを感じさせる美しさがありました。そこで、知人に協力をお願いし、同じような魅力を持つ盆栽を探し始めました。やっとのことで見つけた一本は、まさにTAKAI YOSHIKOが求めていたものでした。この枯れた盆栽をアレンジして使うことで、シーンに一層の深みとバーチャルな世界観を表現できたと感じています。
時に現場は長引くものです。花の管理や配置にも細心の注意を払い、撮影現場で常に最適な状態を保つよう努めています。温度や湿度の調整、花の鮮度を保つための工夫など、プロフェッショナルならではの技術が求められます。
こうした多くの努力が実を結び、映画の中で美しい花装飾が生き生きと映し出されるのです。
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カタチ(想い)の表現(納品)
いよいよ撮影本番!!スタッフ全員の緊張感が高まります。ここからが、私たちの仕事の集大成。ようやく「イメージ」が「カタチ」へと変わります。そして、役者さんたちが演技を始めると、作品の世界が目の前で動き出す瞬間は言葉に尽くせません。
しかし、撮影は常に予測不可能です。カメラの向きや照明の具合で急な調整が求められることも多々あります。そのため、私たちは袖でスタンバイし、必要に応じて迅速に対応します。監督が「カット!OK!」と叫ぶその瞬間、全員がほーっと息をつき、じわじわと達成感が胸に広がります。これはまさに、映画制作に携わる者の醍醐味とも言えます。
撮影現場で私たちが創り上げる作品は、一瞬の輝きを放つ唯一無二の存在です。これらの作品は、バラシ(解体)という運命を迎えるため、その消失はあまりに儚く、寂寥感を伴います。しかし、私たちはその儚さの中にこそ、真の価値があると信じています。
それは、ただの物理的なセットや装飾の存在を超え、観る人の心に深く刻まれる芸術作品としての真価です。映画を見た人が、とあるシーンが印象に残った時、役者さんのセリフや表情、音楽と共に、その背景も記憶と感情に深く根付いてくれることを願っています。
花装飾の舞台裏、いかがでしたでしょうか。是非、劇場の大きなスクリーンで、ストーリーだけでなく背景の世界観も合わせてお楽しみ頂ければ嬉しいです。今までとは一味違った映画の楽しみ方ができると思います。
映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』作品紹介
◇公開日:2024年7月26日(金)
◇公式HP
https://moshi-toku.toho.co.jp/
◇プロローグ
時は2020年、コロナウィルスが猛威を振るい日常を奪われた日本。
国内どころか世界中が大混乱に陥る中、首相官邸でクラスターが発生、あろうことか総理大臣が急死。
そこで政府が実行した最終手段、それは「AI・ホログラムにより歴史上の偉人たちを復活させ、最強内閣をつくる」という前代未聞の計画だった。
総理大臣を託されたのは“江戸幕府を作り上げた伝説の男”徳川家康(野村萬斎)。
そして、日本史に燦然と輝く大スターたちが議員バッジをつけて入閣。
官房長官を“幕末の風雲児”坂本龍馬(赤楚衛二)、経済産業大臣を“最強にして最恐の革命家”織田信長(GACKT)、財務大臣を“空前の成り上がり者”豊臣秀吉(竹中直人)、
ほかにも紫式部(観月ありさ)、聖徳太子(長井短)、北条政子(江口のりこ)、徳川吉宗(髙嶋政宏)、徳川綱吉(池田鉄洋)、足利義満(小手伸也)など
通称≪偉人ジャーズ≫によるドリームチーム内閣が誕生する。
圧倒的なカリスマに加え、政策を推し進める“えげつない”実行力に人々は驚愕し、日本中が熱狂していく。
そんな中、テレビ局の新人記者・西村理沙(浜辺美波)はスクープを取ろうと政府のスポークスマンである坂本龍馬に近づくのだが、
ひょんなことから偉人ジャーズの活躍の裏に渦巻く黒い思惑に気付いてしまう――
果たして、陰謀の正体とは?
そして、日本史に新たに刻まれる“事件”の真相とは?! 続きは劇場で!
◇キャスト
浜辺美波、赤楚衛二、GACKT、観月ありさ、竹中直人、野村萬斎、高嶋政宏、江口のりこ、池田鉄洋、音尾琢真、小手伸也、長井短 ほか
◇原作
原作:眞邊明人「もしも徳川家康が総理大臣になったら」(発行 サンマーク出版)
◇監督
武内英樹(「のだめカンタービレ」シリーズ、「テルマエ・ロマエ」シリーズ、「ルパンの娘」シリーズほか)
◇脚本
徳永友一(「探偵の探偵」「僕たちがやりました」『かぐや様は告らせたい』シリーズ、『ライアー×ライアー』ほか)
◇配給:東宝
◇公式Xアカウント:@moshi_toku
◇公式TikTokアカウント:@moshi_toku
©2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会
TAKAI YOSHIKO (tresco inc.) プロフィール
空間装飾クリエイター・フラワーアートアーティスト。フラワー装飾1級技能士、草月流師範。TV/映画/イベントなどジャンルを問わず活動。装飾を手掛けた主な作品は、TV事業では、【テレビ朝日】開局記念スペシャルドラマ「氷点」「点と線」「鹿鳴館」「男装の麗人」、松本清張生誕100年スペシャル木曜ドラマ「夜光の階段」、木曜ドラマ「ホテリア」【TBS】「徳光和夫の感動再会!逢いたい!」、金曜ドラマ「アリスの棘」、日曜劇場「IQ246~華麗なる事件簿」、【NTV】アガサ・クリスティ原作ドラマ「そしてもう誰もいなくなった」【BS日テレ】「Artist」毎週月曜5:00~5:30放送音楽番組(レギュラー)他、イベント事業では「星の王子様ミュージアム」クリスマスリー装飾、「農林水産大臣主催パーティー」生花パフォーマンス、「角川シネマ」コンサート制作発表会、犬神家オマージュケーキ制作、「第一回ミス日本祭」他、映画事業では【東宝】「祈りの幕が下りる時」「人生の約束」、2018年には日本アカデミー賞(優秀美術賞を含む)最多部門賞を受賞した「翔んで埼玉」の花演出を手掛け、話題となった。続編となる映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』も担当。過去にはロンドン及び銀座、目黒での個展も開催している。
(関連リンク)
【TAKAI YOSHIKO公式インスタグラム :
https://www.instagram.com/flower_spacedesign_tresco/】
【一般向け空間装飾サービス
空間ヨシコ :
https://spaceyoshiko.com/】
TAKAI YOSHIKOの世界観をご自宅でもお楽しみください
オンラインショップでは、花のアレンジメントやインテリアアイテム、特別なイベントにぴったりの装飾品など、多彩な商品をご用意しています。
TAKAI YOSHIKOならではの唯一無二の美しさと細部へのこだわりが、あなたの空間を特別なものに変えます。厳選された高品質な素材を使用し、長く愛用できる商品をお届けします。
スタイリッシュなインテリアアイテムは部屋の雰囲気を一気に変えることができる魅力的なアイテムが揃っています。大切な人への贈り物にもぴったりの商品も多数ご用意しています。
■オンラインストア「FLOR LIBRE」
■オンラインストア「FLOR LIBRE@stores.jp」
TAKAI YOSHIKOが直接指導!アトリエでのワークショップに是非お越しください
日本橋にあるTAKAI YOSHIKOのアトリエでは、盆栽アートのワークショップをご体験いただけます。
まずはお茶と和菓子でおもてなし。一息ついてリラックスしたら、アレンジ盆栽の作り方を丁寧にご説明します。
使用する材料はフェイクの苔やドライフラワーなど、手のひらサイズの盆栽風オブジェを作り上げます。加工にはホットボンドを使用して固定するため、壊れにくいのも特徴です。
仕上げにはラッピングを施しますので、プレゼントにも最適です。
少人数制のため、皆さんが悩んでもすぐにご相談いただける環境で、ワイワイと楽しみながら体験できます。随時開催しておりますので、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
■TAKAI YOSHIKO ワークショップ
私たちのスクールで、一緒にフラワー業界を盛り上げてみませんか
TAKAI YOSHIKO主宰のオンラインフラワースクール<<TAKAI YOSHIKO flower&art school>>では、国家資格「フラワー装飾技能士」取得を目的とし、初心者から経験者まで、一人ひとりのレベルに合わせた独自のカリキュラムを提供しています。
合格のコツを網羅し、繰り返し学べるオンデマンド授業で、受講生を資格取得へと導きます。資格を取得した後は、フラワーショップやイベント会社、フリーランスとして多彩なキャリアパスが広がります。
将来的には、TAKAI YOSHIKOのもとで、映画撮影現場などで求められる高度な花を使った空間装飾技術も学ぶことができます。受講生には、この貴重な経験と技術を直接伝授する機会も提供しています。TAKAI YOSHIKOの日頃の活動の様子や映画の公開情報は随時SNS等で配信していますので、お楽しみに。
私たちのスクールで、一緒にフラワー業界を盛り上げてみませんか?新しい仲間との出会いを心待ちにしています。
■TAKAI YOSHIKO flower&art school(タカイヨシコ フラワーアンドアートスクール)
▶︎
https://yoshikosch.com/lp/grade3/
▶︎無料会員登録ページ:
https://yoshikosch.uishare.co/
株式会社trescoについて:「ひとり勝ち」より「ひとりの価値」を大切にする企業
株式会社trescoは、「フラワー業界をもっとエンターテイメントに」を創業時のミッションに据え、装飾事業にとどまらず、体験型カルチャー教室やワークショップなど様々な取り組みを行っています。
また、2022年には、国家資格「フラワー装飾技能士」の取得を支援するオンラインスクールを開講。次世代の担い手を即戦力になるよう育成し、現場に同行させ、実践して経験を積ませる事で、習い事で終わらずにお花・装飾でビジネスが行える人材を輩出することを目標に活動しています。
これからもtrescoは、「ひとり勝ち」よりも「ひとりの価値」が輝くように、フラワー業界の変革を目指し取り組んでまいります。
【会社概要】
設立:2005年12月
代表執行役社長:髙井由子
本社所在地:〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町2-52-5 矢ヶ崎ビル2F
事業内容:空間装飾事業、フラワー事業、スクール事業
【tresco Inc.公式サイト:
https://tresco.co.jp/】
■本件に関するお問い合わせ先
flower@tresco.co.jp