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イベント概要
・開催概要:海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクトは、最新の3D技術を活用した海洋生物の研究を通じて、将来様々な分野で活躍できる人材を輩出すること、物事を深く追求できる人材育成を目的としています。海洋分野の専門家たちのアドバイスを受けながら、一人ひとつの海洋生物について、テーマを定めて研究します。3Ⅾモデリングを基礎から実践形式まで学び、海洋生物の研究として活用しながら、約16回の授業を経た最終成果物としてオリジナルの3D作品を制作します。
第四期目となる今年は、日本全国から選抜された中学生の研究生11人が、入学式で初めての顔合わせをしました。その後、第一回目の授業(3D基礎、海洋)が実施され、研究生は、協賛各社や保護者など、ご参加いただいた皆さまと一緒に、専任講師の本格的な基礎講義を受けました。
【プログラム】
13:00~14:00 入学式(主任講師・主催・協賛各社からの挨拶、研究生自己紹介)
14:20~15:00 授業A(3D)
15:10~16:00 授業B(海洋)
・日程:7月31日 13:00~
・開催場所:ポートシティ竹芝
・参加人数:研究生11名、講師や協賛各社など合計60名
・協力団体:株式会社ミマキエンジニアリング、株式会社ワコム、株式会社エヌエスエス、Expert Material Laboratories 株式会社、株式会社ボーンデジタル、株式会社サンステラ
<日本財団 海洋事業部 海洋環境チーム 矢ヶ﨑氏から激励のメッセージ>
「研究生の皆さんは、型にはまった決まりは無いので、仕組みが気になったもの、やりたいことに没頭してほしいと思います。私も海洋研究に取り組んでおりましたが、こうした3Dの技術や知見に触れることができる活動への期待と、参加される研究生のみなさんが中学生とは思えないほどの探究心をもっていることに驚きを感じております。海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクトでの8ヶ月の活動を、実りある経験としていただき、今後の飛び跳ね台にしていただきたいと思います。」
<プロジェクトに必要な製品を提供いただく協賛各社からのご挨拶>
8ヶ月の研究活動を強力にサポートしてくださる協賛各社の皆さまから、激励の言葉をいただきました。
写真左から:株式会社ミマキエンジニアリング(フルカラー3Dプリンター出力の提供)上原氏、株式会社ワコム(ペンタブレットの提供)角井氏
写真左から:株式会社エヌエスエス・Expert Material Laboratories 株式会社(CTスキャン撮影、3Dプリンタ用レジン「エキマテ」での3D造形品の提供)野田氏、株式会社ボーンデジタル(3Dソフトウェアと3D専門書の提供)冨田氏
株式会社サンステラ(光造形機の提供)勝亦氏
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専任講師による授業:3D基礎(吉本大輝)
入学式に続いて実施された授業は、まずは3D基礎講義として、3Dを実践形式で学ぶことに先立ち、3Dプリンターで作品ができるまでの基本的な知識についての授業を実施しました。実際のモデリングをスライドに映しながら進めていく様子を交えて伝え、研究生は興味深そうに見入っていました。休憩時間には、吉本講師が制作した玉骨標本を手に取り、興味深く見る姿が見られました。
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専任講師による授業:海洋研究基礎(村瀬先生)
村瀬講師からは、海洋研究を進めるための手順や心構え、取り組み方、論文の書き方などを、具体的な事例をもとに講義いただきました。村瀬先生ご自身がどのように海洋生物へ興味をもち、大学で教えるまでに至ったのかや、調べたい対象をどのように調査し、考察を進めるか、情報の活用方法や参考文献の扱い方などを学びました。研究生は頷きながら、集中してメモをとり真剣に聞いていました。
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四期は全国から応募をつのり、日本各地の研究生が参加!11人の意気込み
井上さん(鳥取・中学2年生)
物心ついた時から、魚が大好きです。特に、厳しい環境に適応してきた強さがある、何億年も前から生き残ってきたユニークな深海生物に興味があります。3Dに興味を持ったのは、学校の先生が段ボールで制作した鳥の模型を「cluster (クラスター)」というアプリで、まるで生きているかのように動かしてくれたのがきっかけです。今は「Blender(ブレンダー)」 というソフトを使い、3Dモデルの作成についても学んでいます。シーラカンスやダイオウグソクムシなどの深海生物、ホタルイカなどの発行生物の研究がしたいです。またカイロウドウケツエビを3Dプリンタで作ってみたいです。深海生物を3Dデータ化し、深海生物の水族館を作りたいです。
井上さん(埼玉・中学1年生)
サメや爬虫類が好きで、いつも水族館へ行っています。プロジェクト応募動機は、大好きな生物を3Dプリンタで制作できたら面白いなと思ったからです。自分だけの水族館を作ってみたいと思います。8ヶ月間、よろしくお願いいたします。
佐々木さん(神奈川・中学2年生)
2歳から海洋生物が大好きで、魚博士をめざしています。昨年、日本魚検定の準1級も受嘱しました。小学5年生から取り組んでいる鯛の鯛と呼ばれる骨を集めて、図鑑を作っています。現在7巻目を制作中です。魚ごとに特色がちがうので面白く、特に好きなのはホウボウの鯛の鯛です。この活動は魚を食べて標本を作るため、魚食にもつながっており、水産庁「さかなの日」の賛同メンバーに唯一の学生として参加しています。このプロジェクトでは、魚の骨をデータとして残せる魅力を感じています。魚の生息域が変わっている今、標本やデータとして残すことができると良いと考えています。
田中さん(大阪・中学1年生)
小学5年生から魚に興味を持ち、タカラガイの研究を続けています。光沢のある、丸みを帯びた美しい貝です。タカラガイを中心として、関西で28カ所で貝の採取をしました。タカラガイ独自の生態や、殻の構造について研究に励みたいと思います。このプロジェクトで学び、「水族館の学芸員、飼育員になりたい。貝の美しさ、構造までがわかる展示を作りたい」という夢に近づけることが嬉しいです。
田部さん(大阪・中学1年生)
小さい頃から読書が大好きで、魚の本をよく読んでいました。小学5年生の夏休みに海と日本プロジェクトのお仕事体験として漁業関連の仕事体験をしたときにこのプロジェクトを知りました。またその頃3Dに興味を持ち始めました。やりたいことが色々あるので、大きくなった時に役に立つ体験をしたいです。折り紙が好きで、幾何学模様にも興味があります。物理や専門家の先生から学べる、長期プロジェクトというのが魅力で応募したので、これから楽しみです。
堤さん(愛知・中学2年生)
海や川の生き物が好きです。近所には、名古屋港水族館、世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふなどがあり、僕の将来の夢は水族館の飼育員になることです。昨年、環境ボランティアサークルに入りました。大学の先生に「海岸のごみの大半は都会から来ている」と聞き、都会の人にそのことを知ってもらうための勉強をしたいです。
中平さん(静岡・中学2年生)
日本で一番深い湾、駿河湾がある静岡県に住んでいます。小学2年生で進化検定3級、小学3年生ではJAMSTECでも賞を取り、深海調査をさせて頂きました。この2年は、大好きな深海魚を生きた状態で自分で採取することができると知ったため、幼魚に興味をもっています。毎週海に通って採集し、飼育もしています。珍しい魚は水族館へ寄贈もしています。3Dプリントすれば、幼魚を細かく観察して保存することができると考えています。新しい3D技術を覚えて、上下左右色々な角度から幼魚の模型を観察したいです。
橋本さん(東京・中学3年生)
今僕は生徒会と化学部に所属しています。生徒会の顧問が生物部の先生で、ヤドカリや亀などの海洋生物には、最近興味を持ち始めたところです。3Dへの興味は中学1年生からあり、プログラミングや3Dプリンターには触れてきました。応募のきっかけは、学校の先輩に薦めて頂いて、参加することに決めました。8ヶ月間どうぞよろしくお願いいたします。
早川さん(静岡・中学1年生)
僕は、名前が航太なので反対から読むとTAKOなので、たこが好きです。4年生のときにはタコ図鑑をつくったり、これまでタコ漫画・タコすごろくなどつくって遊んできました。深海のアイドル、メンダコについて調べて発表したこともあります。このプロジェクトでは、表層のタコとの違いをちがって、炭をはかない、膜が広がっていて吸い込んだ敵を捕食するなど様々な違いがあります。タコの体のつくりについて調べたいと思っています。
都田さん(鳥取・中学3年生)
水族館に行ってエイを見るのが好きで、最近になって調べてみたいと思いました。鳥取県には博物館などが無く、生物について触れることがありません。私がこのプロジェクトで研究したものを地元に持ち帰り、発表など挑戦したいと思います。
山之内さん(千葉・中学1年生)
以前に参加したことがある地元のイベント、のり漁師さんに海と天気について教えてもらってきました。そのことがきっかけで、海と海洋生物に興味をもちました。私は普段、ヴァイオリンの練習をしておりますが、クラシック音楽でも海の壮大さや優雅さを思い描いて演奏することがあります。また深海生物の進化過程が好きで、研究したいと思っています。その意味でも、このプロジェクトでの経験をとても楽しみにしています。
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【海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト】四期生入学式
<団体概要>
団体名称:一般社団法人日本3D教育協会
URL:
https://kaiyo-3d.y-artfactory.jp
活動内容:3D教育・3D研究
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。