世界のテロ・紛争解決に取り組むNPO法人アクセプト・インターナショナルは、「テロ被害者想起と追悼の国際デー」に際して、全世界のテロの被害者および生存者の声に耳を傾け、彼らの支援、彼らの苦しみを共にすることの重要性を訴えます。この日は、テロリズムの脅威とその被害者に対する認識を新たにし、平和な未来を築くために国際社会が一丸となる必要性を再確認する日です。
テロリズムは現代において最も深刻な課題の一つであり、国際平和と安全を脅かす大きな要因となっています。テロ攻撃は、世界中で無差別に人々を襲い、多くの命を奪ってきました。その影響を受けた人々の声を忘れないことが、私たちに求められている責務です。
NPO法人アクセプト・インターナショナルは、この国際デーに際し、テロ攻撃の被害者となられた方々に心から哀悼の意を表します。
また、今なおテロの影響下にいる人々が世界中にいること、そして、テロに対する軍事的報復やそれに伴う一般市民の犠牲などにより、「やられたら、やり返す」といった憎しみの連鎖が生まれていることに、改めて深い憂慮の念を表します。
テロ被害者と生存者の声を増幅し、より良い未来へ
一般的に「テロ被害者」といえば、テロによって命を奪われてしまった人々が想起されます。しかし、アクセプト・インターナショナルは、いわゆるテロ組織や武力紛争などによる影響を受け「テロリスト」になってしまった人々もいることを強調します。
いわゆるテロリストになってしまった人々は「加害者」であるものの、同時に、そこに至るまでの過程において「被害者」的な側面があったことを私たちは強く認識しなくてはなりません。
彼らは、経済的な困窮、誘拐・脅迫、洗脳などによって武器を取らざるを得ない状況に追い込まれていたり、憎しみが憎しみを生む連鎖に巻き込まれていたりといった背景があります。この「憎しみの連鎖」は、実際のテロ攻撃と、軍事的なアプローチに基づく「対テロ戦争」の中で、無辜の市民が命を落とした結果生まれてしまったものです。
彼らが憎しみの連鎖から離脱できる場を創り、テロや紛争の当事者を含め平和の担い手を増やしていくことが、平和への循環を生み出すために必要です。
そして、テロ攻撃により命を奪われてしまった被害者、その遺族、生活を変えられてしまった人々だけでなく、テロや紛争の影響によって「テロリスト」となってしまった人々に対しても想いを馳せ、その全てに適切な支援を行うことが求められています。
平和構築に向けた取り組みの強化
アクセプト・インターナショナルは、主にソマリアやイエメンなどの紛争地において、テロ・紛争の当事者に対し、いわゆるテロ組織から抜け出す支援に加え、カウンセリングや基礎教育、職業訓練、宗教再教育などを通じた包括的な社会復帰支援を展開しています。
加えて、地域社会に対しては、もともと「加害者」とされていた人々とともに、テロや紛争の被害を受けたコミュニティへの緊急人道支援などを実施しています。
また、よりグローバルな社会に向けた取り組みとして、彼らがテロなどの暴力から離脱し、平和の担い手になるために必要な国際規範を創るための働きかけを行っています。
このように、いわゆるテロリストになってしまった若者を含めて彼らへの支援を強化し、さらには国際的な枠組みの変革にも取り組むことで、テロ・紛争の解決を目指しています。
この国際デーに際して、アクセプト・インターナショナルは、テロ被害者と生存者を想起・追悼するとともに、国内外で本当に必要とされている取り組みを推し進めていくことを、改めて誓います。
アクセプト・インターナショナルについて
国内外で憎しみの連鎖といった負の連鎖をほどくことを目指して、2011年の創設以来、ニーズが非常に高いにも関わらず見捨てられてきた地域・分野・対象者に対して取り組みを実施してきました。海外では、テロや紛争に加担した若者が平和の担い手となるための支援や、世界中の紛争当事者が暴力から離脱するための国際規範の制定に向けた働きかけを行なっています。また、日本国内においては特に取り残されがちなイスラム教徒を中心とした在日外国人への相談支援や、犯罪に巻き込まれた特に深刻な少年・少女への包括的な支援を展開しています。
組織概要
名称:NPO法人アクセプト・インターナショナル(NGO Accept International)
住所: 東京都中央区日本橋堀留町1丁目11-5 日本橋吉泉ビル3階
設立:2017年4月(前身団体・日本ソマリア青年機構は2011年9月設立)
代表理事:永井 陽右
主な活動国:ソマリア、イエメン、ケニア、インドネシア、コロンビア、日本
代表メールアドレス:info@accept-int.org
代表電話:03-4500-8161