神田外語大学(千葉市美浜区/学長:宮内孝久)の遠藤美幸講師による新刊で、2019年に岩波書店の『世界』で連載された『戦友会狂騒曲〔ラプソディー〕』が、2024年7月29日(日)に刊行されました。一般的に「戦友会」と聞くと、戦争を懐かしむ高齢者の集まりというイメージを持たれるかもしれません。しかし、本著はその先入観を超えた、予想外の一面を描き出します。元兵士たちの複雑な人間関係、保守的な価値観に押し寄せる若者たちとの対立など、「戦友たち」の最晩年を20年にわたり見つめ続けた研究者による、渾身のリポートです。
■書籍紹介
元兵士たちの戦後を共に歩く。遺族などの関係者でもなく、靖国神社にもむしろ違和感をもつ筆者が、なぜか老人たちの集まる戦友会の「お世話係」を担うことに。 ガダルカナル戦やビルマ戦を経験し、「強兵」として知られた東北・第2師団の戦友会で語られる苛烈な戦場体験。複雑な思いを持つ老人たちを脇に、「聖戦を戦った英雄」と持ち上げる保守系の若者たちが押し寄せてきて……。
書 名:『戦友会狂騒曲〔ラプソディー〕』
著 者:遠藤美幸 講師
発 行:地平社
体 裁:四六判並176ページ
価 格:本体1980円(税込)
発 売:全国書店
発売日:2024年7月29日(月)
ISBN:978-4-911256-07-7 C0021
■目次
◆第1章 変調をきたす「戦友会」
◆第2章 若者たちの「来襲」
◆第3章 老兵、戦争のホンネを語る
◆第4章 「武勇伝」の裏側
◆第5章 戦友なきあとに
◆終 章 不戦こそ慰霊
■著者紹介
遠藤美幸(えんどう・みゆき)
1963年生まれ。イギリス近代史、ビルマ戦史研究者。神田外語大学・埼玉大学兼任講師(歴史学)。不戦兵士を語り継ぐ会(旧・不戦兵士・市民の会)共同代表、日吉台地下壕保存の会運営委員、日本ミャンマー友好協会理事。2002年から元兵士の戦場体験を聴き続けている。
著書に『「戦場体験」を受け継ぐということ─ビルマルートの拉孟全滅戦の生存者を尋ね歩いて』(高文研)、『なぜ戦争体験を継承するのか ─ ポスト体験時代の歴史実践』(共著、みずき書林)、『悼むひと』(生きのびるブックス、2023年)、『戦争のかけらを集めて』(共著、図書出版みぎわ、2024年)などがある。
■参考
【神田外語大学HP】
https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/
【地平社 著書紹介】